コラム
2.202026
自己資本額は経営事項審査でどれくらい重要ですか?

経営事項審査では財務面の評価が大きな割合を占めます。その中でも「自己資本額」は特に重要な指標のひとつです。
結論から言うと、自己資本額は経営規模(X)の評点に直接影響する指標であり、P点全体に対して一定の影響を持ちます。自己資本が充実しているほど評価が高くなる傾向があります。
自己資本額が評価される仕組み
経営事項審査における経営規模(X)は、完成工事高と自己資本額・平均利益額の2つの観点から評価されます。
自己資本額の評点(X2)は、貸借対照表の純資産合計(株主資本等)をもとに算出されます。純資産が大きいほど評点が高くなる構造です。この評点はX全体の25%を占め、P点への寄与は相対的に小さくはありません。
自己資本額を高めるためのポイント
自己資本額は利益の蓄積によって増加します。毎期黒字を維持して内部留保を積み上げることが、最も基本的な方法です。
また、増資によって資本金を増やすことも自己資本額の増加につながります。ただし、一時的な利益操作や資本の水増しは会計的な問題が生じるため、適正な手続きに基づいて行う必要があります。
よくある誤解
❌ 自己資本額より完成工事高の方がずっと大事なので気にしなくてよい
✅ 完成工事高の比重は高いですが、自己資本額も無視できません。自己資本が著しく低いと経営状況分析の評点にも悪影響を及ぼすことがあります。
❌ 借入金を返済すれば自己資本が増える
✅ 借入金の返済は負債を減らしますが、同時に現金・預金も減少するため、純資産(自己資本)は変わりません。自己資本を増やすには利益の確保が基本です。
実務上の注意点
審査基準日時点の貸借対照表に基づいて自己資本額が算定されます。決算日前に役員への退職金支払いや大規模な資産処分などが発生した場合、純資産が一時的に減少することがあります。自己資本額は利益水準との関連においても注意が必要です。
審査基準日が近い時期に大きな財務上の変動が見込まれる場合は、自己資本額への影響を事前に確認しておくことをおすすめします。また、繰越欠損金が大きい場合は純資産がマイナスになるケースもあり、経営事項審査全体の評点に大きく影響します。
まとめ
- 自己資本額は経営規模(X2)の評点に反映される重要な指標
- 純資産の増加には毎期黒字の維持と内部留保の積み上げが基本
- 借入金返済では自己資本は増えない
- 審査基準日前の財務変動が自己資本額に影響することに注意が必要
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