コラム
2.162026
完成工事高は高ければ高いほど評価されるのですか?

経営事項審査において、完成工事高は評価の中心的な指標のひとつです。「売上が多いほど点数が高くなる」というイメージを持っている方も多いですが、実際の仕組みはもう少し複雑です。
結論から言うと、完成工事高は高いほど有利ですが、上昇幅は一定ではなく、金額が大きくなるにつれて点数への影響は緩やかになります。また、業種ごとに完成工事高の計上先を正しく振り分けることが重要です。
完成工事高が評価に与える影響
完成工事高は経営規模(X)の評点に反映されます。具体的には直前2年平均または直前3年平均のうち有利な方を選択して申告します。
評点は対数関数を用いた計算式によって算出されるため、完成工事高が低い段階では増加に伴い点数が大きく伸びますが、高額になるにつれて点数の伸び率は小さくなります。たとえば、1億円から2億円に増える場合と、10億円から11億円に増える場合では、後者の点数への影響の方が小さくなります。
2年平均と3年平均の選択
完成工事高の評点は、直前2年平均と直前3年平均を比較して、有利な方を選択することができます。売上が伸びている会社は直前2年平均を選ぶと有利になることが多く、過去に大きな実績がある場合は3年平均の方が高くなることがあります。
この選択は業種ごとに行うことができるため、業種ごとの売上推移を把握した上で検討することが大切です。
よくある誤解
❌ 完成工事高に計上する業種を意識しなくてもよい
✅ 完成工事高はどの業種の工事として計上するかが重要です。許可を受けている業種ごとに適切に振り分けないと、本来の評点が正確に算出されません。
❌ 売上が前年より下がったら必ず点数が下がる
✅ 3年平均を選択できる場合や、前年の売上が突出して高かった場合は、選択次第で点数が維持または上昇することがあります。
実務上の注意点
完成工事高の計上にあたっては、工事請負契約に基づいた金額を正確に計上することが求められます。売上の前倒しや過大計上は不正申請にあたります。計上方法の誤りが審査に与える影響については売上計上ミスの影響も参照してください。
また、完成工事高として計上できるのは建設工事に該当する工事に限られます。建設工事以外の業務(保守管理、清掃など)は完成工事高に含めることができません。決算書の数値と一致していることを前提に、正確な振り分けを行うことが重要です。
まとめ
- 完成工事高は高いほど有利だが、点数の伸びは金額が大きくなるほど緩やかになる
- 直前2年平均と3年平均のうち有利な方を業種ごとに選択できる
- 業種ごとの適切な振り分けが評点の正確性に直結する
- 前倒し計上や過大計上は不正申請にあたるため厳禁
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