コラム
2.142025
宇都宮の相続手続き解説シリーズ 第4回 |銀行口座の相続手続きとは?必要書類と流れをわかりやすく解説

宇都宮の相続手続き解説シリーズ 第4回
銀行口座の相続手続きとは?必要書類と流れをわかりやすく解説
栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所です。
このシリーズでは、相続に関する基本的な手続きを、一つずつ丁寧に解説しています。
第4回は、「銀行口座の相続手続き」について。
「死亡したら口座はすぐ凍結されるの?」「どんな書類がいるの?」「地銀の場合は違うの?」
そんな疑問にお答えしながら、実務的な流れをわかりやすくご紹介します。
目次
銀行口座は死亡後すぐに凍結される?
「亡くなったらすぐに口座が凍結される」と思っている方は多いのですが、実は金融機関が「死亡を把握」しない限り、口座はそのままの状態が続きます。
銀行に死亡届が届くまで凍結されないことも
金融機関が死亡を知るのは、
・相続人や家族からの連絡
・役所からの通知(死亡届連動の情報提供)
・信託銀行などによる内部調査
・公的手続き(年金ストップ連絡など)
こういった場合が多いです。
つまり、誰も銀行に連絡しなければ、すぐには口座凍結されないケースもあります。
ただし、万が一、その間に口座から資金を引き出してしまうと、後々相続トラブルの原因になるため、注意が必要です。
銀行口座の相続手続きの流れ
ステップ1|金融機関に「死亡の届出」をする
まずは各金融機関に、被相続人の死亡を知らせます。ここで口座が正式に「凍結」され、以後の取引(出金・振込など)がストップします。
ステップ2|必要書類の案内を受ける
金融機関ごとに、相続手続きの案内書類が渡されます。案内に従い、必要書類を準備します。
ステップ3|必要書類を提出する
主な必要書類は以下のとおりです
・被相続人の死亡が記載された戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・遺産分割協議書(または遺言書)
・金融機関所定の相続手続き依頼書
・本人確認書類(運転免許証など)
✅ 「法定相続情報一覧図」を提出する場合は、戸籍謄本一式は不要となります。
🔗 第2回|相続関係説明図・法定相続情報一覧図とは?使い分けと作り方
✅ 特に「誰が預金を取得するか」を示す遺産分割協議書または遺言書が重要になります。
ステップ4|金融機関で手続きが完了する
・書類に不備がなければ、指定口座へ払戻しされる
・相続人ごとに分割払い戻しができる場合もある
手続き完了までの期間は、通常2週間~1ヶ月程度ですが、金融機関や相続人の人数・内容により前後します。
【地域実例】足利銀行・栃木銀行・ゆうちょ銀行の場合
宇都宮市内でも利用者の多い、足利銀行・栃木銀行・ゆうちょ銀行の相続手続きでは、次のような特徴があります。
足利銀行の相続手続きの流れ
1.電話または来店で相続発生の連絡
2.足利銀行へ相続手続きの申し込み(店舗窓口・電話・Web予約が可能)
3.必要書類を準備して提出
4.書類確認後、払戻金の受け取りまたは名義変更手続き完了
必要書類(一例)
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本または法定相続情報一覧図
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書(3か月以内)
・遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印)または遺言書
・被相続人の通帳・キャッシュカード
・相続人代表者の通帳・実印・本人確認書類(払戻の場合)
・名義変更を受ける相続人の本人確認書類(名義変更の場合)
予約方法
・Web予約、電話、窓口いずれも可能
・予約すると優先案内され、混雑時もスムーズ
・予約後、担当者から必要書類について案内の連絡あり
栃木銀行の相続手続きの流れ
1.電話または来店で相続発生の連絡
2.必要書類の案内を受け、書類を準備
3.書類を店舗または郵送で提出
4.書類確認後、不足があれば連絡あり
5.全書類提出後、2週間前後で払戻・名義変更完了
必要書類(一例)
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本または法定相続情報一覧図
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書(3か月以内)
・遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印)または遺言書
・被相続人の通帳・キャッシュカード
・相続人代表者の通帳・実印・本人確認書類(払戻の場合)
・名義変更を受ける相続人の本人確認書類(名義変更の場合)
予約方法
・Web予約(パソコン・スマホ・アプリ)あり
・来店予約をすると優先案内、待ち時間短縮
郵便局(ゆうちょ銀行)の相続手続きの流れ
1.最寄りの窓口で「相続確認表」に記入し提出
または「相続Web案内サービス」でオンライン手続き開始
2.必要書類一式(「貯金等相続手続請求書」など)が郵送される
3.必要書類を準備し、署名・実印押印
4.書類を窓口に提出
5.確認後、代表相続人の口座に払戻金が入金(1〜2週間、不備がある場合は1か月程度)
必要書類例
・相続確認表
・相続手続請求書
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)または法定相続情報一覧図
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・遺産分割協議書
・遺言書(ある場合)
・委任状(代理人の場合)
・被相続人・相続人代表者の通帳・キャッシュカード
・相続人代表者の本人確認書類
郵便局(ゆうちょ銀行)で手続きする際の注意点
ゆうちょ銀行の相続手続きは、最寄りの郵便局の窓口が受付窓口となりますが、実際の書類審査や払戻手続きは「相続事務センター」で一括処理されます。
そのため
・窓口で提出しても、すぐに手続きが進むわけではありません。
・郵送でセンターに書類が送られるため、通常よりも日数がかかることがあります。
特に、必要書類に不備があった場合は再提出となり、窓口に何度も足を運ぶ必要が出てくる可能性もあります。相続手続きには、できるだけ早めに取りかかり、時間に余裕を持つことが大切です。
また、手続きを確実かつスムーズに進めたい場合は、はじめから専門家に依頼することも一つの選択肢と言えるでしょう。
【補足】知っておきたいポイント
・足利銀行と栃木銀行では、「相続届兼相続人代表者選任届出書」が共通様式です。
・ゆうちょ銀行は独自の「相続確認表」を使い、オンラインサービスも活用可能です。
・いずれも、手続き前に銀行側から必要書類を案内してもらうのが確実です。
【まとめ】相続手続きは事前準備がカギ!
銀行や金融機関の相続手続きは、必要書類が揃っているかどうかでスムーズさが大きく変わります。
特に、書類不足、戸籍の取り寄せ漏れ、印鑑証明書の期限切れなどが原因で、再提出になるケースが多く見られます。事前に銀行に相談・予約をして、「必要なものをしっかり揃えてから手続きする」ことが、負担を減らすコツです。
また、相続税申告が必要なケースや、手続きが複雑な場合は、専門家への相談も検討すると安心です。
✅ いずれも、事前に戸籍や関係図をきちんと整えてから相談することが重要です!
🔗 第2回|相続関係説明図・法定相続情報一覧図とは?使い分けと作り方
銀行口座の相続手続きでよくあるトラブル
ケース1|印鑑証明書と実際の印鑑が違った
→ 書類不備で手続きやり直し。再発行手続きに時間がかかる。
✅ 相続人ごとに印鑑証明と使用印鑑をしっかり一致させることが大切です。
ケース2|相続人の一部が書類に協力してくれない
→ 全員の署名・押印が必要なため、誰か一人でも手続きに協力しないとストップ。
✅ 相続人調査・関係性整理を事前に行い、スムーズに動ける準備が必要です。
Kanade行政書士事務所のサポート内容
相続手続きの基本サポート
・相続人調査(戸籍収集・特定)
・財産目録(遺産目録)の作成
・相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成
・遺産分割協議書の内容・案分作成
金融機関・証券会社などへの手続きサポート
・証券会社向けの相続手続き書類作成
・必要書類・名義変更等サポート
安心できるサポート体制
・初回相談無料
・宇都宮市を中心に、柔軟かつスピーディーな対応
・必要に応じて、司法書士・税理士との連携によるワンストップ支援も可能です。
まとめ|銀行口座の相続手続きは早めの準備を
銀行口座の相続手続きは、戸籍・相続人調査 → 遺産分割協議書の作成 → 金融機関への提出という複数のステップを踏む、手間と時間のかかる手続きです。
亡くなった直後にすぐ口座が凍結されるわけではありませんが、だからといって名義変更をしないまま放置していると、故人の口座からは資金が引き出せないだけでなく、相続人同士でトラブルが起きる原因にもなってしまいます。
相続手続きは、早めに動き、正確に進めることが何より大切です。
Kanade(かなで)行政書士事務所では、相続人調査から遺産分割協議書の作成、金融機関のサポートまで、ご相談者さまに寄り添った丁寧なサポートを行っています。
「何から始めたらいいかわからない」「忙しくて手続きを進める時間がない」そんな方も、どうぞお気軽にご相談ください。
次回|第5回はこちら!
👉 相続手続きが初めての方は、10回シリーズでわかりやすく解説した
[相続手続き解説シリーズまとめページ]をご覧ください。