コラム

栃木県での障がい福祉事業の始め方|指定基準①法人格の要件

栃木県宇都宮市や栃木市、ほか栃木県内の市町村での障がい福祉サービス事業の指定を受けるためには、まずは全サービス事業に共通する要件を満たす必要があります。

ここでは、栃木県で障がい福祉サービス事業の申請に必要な共通する「必要な要件=指定基準 ①法人格の要件」を説明しています。

栃木県で障がい福祉サービスの指定事業者になる指定の要件とは?

栃木県で障がい福祉サービス事業で「指定」をとるためには大きく分けて4つの要件があります。

①    法人格を有すること
②    人員基準を満たすこと
③    物件の基準や設備基準を満たすこと
④    運営基準に従って適正に運営ができること

この基準を要件として、さらにサービスの種類や施設・事業所ごとに必要な基準を満たす必要があります。

指定障がい福祉サービス事業者は、障がいのある方が自立した生活を営むことができるよう努めなければなりません。

安心、安全なサービスが提供できるよう、常に障がい者等の立場に立って適切なサービス提供に努めるとともに、市町村、職安や教育機関などとの連携が不可欠となります。

「指定基準」=利用者に対する支援を適切に実施するため、必要な最低限度の基準を定めたものとなるため、各サービス事業者は常にその運営の向上に努めなければならないとされています。

栃木県での障がい福祉サービス指定基準①法人格の要件

障がい福祉サービス事業は法人でないと指定をとることができません。

障がい福祉サービス事業を運営することができる法人の種類はいくつかあります。今後、どのように取り組みたいのか、どのような事業展開を行っていくのかによって、設立する法人の種類を検討していく必要があります。

主な法人形態
・株式会社
・合同会社
・一般社団法人(営利型)
・社会福祉法人 など

障がい福祉サービス事業を提供する法人は、既に設立されている法人でも新設の法人でも申請できます。

ただし、「就労継続支援A型」には次のような制限があるため注意が必要です。

障害者総合支援法指定基準 厚労省令第171号 第189条
指定就労継続支援A型事業者が社会福祉法人以外の者である場合は、当該指定就労継続支援A型事業者は専ら社会福祉事業を行うものでなければならない。

つまり、社会福祉事業のみを、それ以外の一般事業を行っている法人では指定を受けられないことになります。

主な法人形態の比較

ここでは障がい福祉サービス事業を提供する上で、比較的多い法人形態の4つを比較しています。

株式会社 合同会社 NPO法人 一般社団法人
成立条件 登記 登記 所轄庁(都道府県・政令指定都市など)の認証後、2週間以内に登記 登記
最低資本金額 1円以上 1円以上 資本金制度なし 資本金制度なし
設立必要人数
(発起人)
1名以上 1名以上 10名以上 2名以上
設立費用 法定費用約25万円* 法定費用約10万円* 法定費用 不要 法定費用約12万円
メリット ・1名でも設立可
・資金が集めやすい
・1名でも設立可
・設立費用が安い
・公的なイメージ
・設立費用が不要
・公的なイメージ
・設立費用が安い
デメリット ・設立費用が高い ・2006年誕生の法人スタイル
ややマイナー
・設立時に10名以上必要
・設立に半年ほどの時間を要する
・年に一度、行政機関への提出書類がある
・設立時2名以上必要
・融資などの資金調達が受けにくい

*電子認証の場合は、定款印紙税4万円が0円となります。

それぞれの特徴をしっかりと把握し、よりご自身のプランにあった形態を検討しましょう。

定款の作成と事業目的について

法人設立には、定款作成が必要ですが、障がい福祉サービス事業の申請をする場合にはその「目的」の事業内容に注意が必要です。

目的の記載例

指定を受ける事業 障がい福祉サービス事業
サービス種別 居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・療養介護・生活介護・短期入所・重度障害者等包括支援・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型・共同生活援助・就労定着支援・自立生活援助 など
定款目的の記載例 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく一般相談支援事業」
指定を受ける事業 児童福祉事業
サービス種別 児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援など
定款目的の記載例 児童福祉法に基づく障害児通所支援事業

*記載例として挙げていますが、申請の際には指定権者に確認してください。

また前述の通り、「就労継続支援A型」については「社会福祉事業のみを行う法人」となりますので、定款の目的も「社会福祉事業のみを行う」記載が必要です。

まとめ

いかがですか?今回は栃木県での障がい福祉サービス指定基準のなかから、①法人格の要件について解説しました。

次回は、指定基準②人員基準の要件についてさらに深堀りしていきましょう。

なお、障害者総合支援法などの法律に基づく記載、また市町村窓口等正式名称については「障害」としていますが、それ以外は「障がい」の記載となります。

【参考】

栃木県 障害福祉サービス
栃木県 障害福祉サービス事業 障害児通所支援事業 等 指定申請の手引き
厚生労働省 障害福祉サービスについて
厚生老労働省 障害者総合支援法について

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