コラム

栃木県での障がい福祉事業の始め方|指定基準③物件の要件や設備基準の要件

栃木県宇都宮市や栃木市、ほか栃木県内の市町村での障がい福祉サービス事業の指定を受けるためには、まずは全サービス事業に共通する要件を満たす必要があります。

ここでは、栃木県で障がい福祉サービス事業の申請に必要な共通する「必要な要件=指定基準③物件の要件や設備基準の要件」を説明しています。

栃木県で障がい福祉サービスの指定事業者になる指定の要件とは?

栃木県で障がい福祉サービス事業で「指定」をとるためには大きく分けて4つの要件があります。

①    法人格を有すること
②    人員基準を満たすこと
③    物件の要件や設備基準を満たすこと
④    運営基準に従って適正に運営ができること

この基準を要件として、さらにサービスの種類や施設・事業所ごとに必要な基準を満たす必要があります。

今回触れていく物件の要件、設備基準は、障がい福祉サービス事業を提供する上で、サービスの質を維持するためにも、またスムーズな開業を迎えるためにも非常に重要になってきます。

設備基準は、利用する方に安全なサービスを提供できるよう、建物の構造から必要な面積、部屋数、設備、備品等の規定などが提供するサービス毎に設けられています。

物件選びの段階から基準を押さえた上で、物件選びをしていくことができれば、あとからのトラブル回避につながります。

栃木県での障がい福祉サービス指定基準③物件の要件や設備基準

物件を選ぶ際には、障害者総合支援法の他にもその他の法律の要件も満たす必要があります。

例えば
1.都市計画法
2.建築基準法
3.消防法
4.条例(まちづくり条例やバリアフリー条例など)
1~4の他にも、耐震基準や規則、ガイドラインなどに適合するかどうかも大切です。
各ポイントは次の通りになります。

  • 都市計画法関係

障がい福祉事業は、原則「市街化調整区域」では施設の開業はできません。市街化調整区域とは、開発行為や都市施設の整備を原則行わない地域をいいますので、まずは役所の都市計画課などで確認をしましょう。

  • 建築基準法関係

建築基準法の改正により(2019年6月施行)、用途変更が必要な物件の使用面積が200㎡未満の物件なら、用途変更の手続きは不要となります。逆に200㎡以上は用途変更の手続きや工事などが必要になることもあります。

栃木県の場合は次の書類の提出が必要になります。

【新築建物の場合】
検査済み証の写し

【既存建物で用途変更が必要な場合】
用途変更の手続きが完了したことが分かる書類

【既存建物で用途変更が不要な場合】
建築基準法を所管する行政機関(市役所の建築課等)に相談した結果を「相談結果記録書(任意様式)」にまとめ提出
*相談日、担当課・担当者名、手続きが不要な理由(面積200㎡以下のため等)必ず記載

  • 消防法関係

指定申請時には消防法施工令等に基づいた書類の提出が必要です。

管轄の消防署員が現地確認を行ったうえでの書類提出となります。

栃木県の場合の提出書類は次の通りです。
・防火対象物使用開始届の写し
・消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書の写し(スプリンクラー設備等を設置した場合)
*いずれも消防署の受付印がある書類の写しを提出

その他

事業内容等に応じた確認の必要がある場合、各法の許可証等の写しの提出が必要になる場合があります。

例)
・関係法令に基づく許可・届出が必要な生産活動を行う場合
(食品を扱う場合→食品衛生法)
(クリーニング業を行う場合→クリーニング業法)
(リサイクル業を行う場合→廃棄物の処理及び清掃に関する法律、古物営業法 など)
・通院等乗降介助を行う場合→道路運送法の事業許可
・従業者の労務管理、労働保険、社会保険について→労働基準法 など

栃木県宇都宮市の障害者支援施設の設備に関する条例より

障がい福祉事業を行ううえでは、各都道府県や市町村で制定されている条例なども確認する必要があります。

条例や規則で定められている基準も満たすことが求められます。

一例ですが、「宇都宮市障害者支援施設の設備及び運営に関する基準を定める条例」では、つぎのような条文が定められています。

【構造基準】第4条 障害者支援施設の配置,構造及び設備は,利用者の特性に応じて工夫され,かつ,日照,採光,換気等の利用者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。

【設備基準】第10条 障害者支援施設は,訓練・作業室,居室,食堂,浴室,洗面所,便所,相談室及び多目的室その他運営上必要な設備を設けなければならない。ただし,他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該障害者支援施設の効果的な運営を期待することができる場合であって,利用者の支援に支障がないときは,その一部を設けないことができる。

まとめ

いかがですか?今回は栃木県での障がい福祉サービス指定基準③物件の要件や設備基準について触れていきました。

障がい福祉サービス施設の開業の際には、物件選びや各法令に適合しているかが非常に重要となります。また、必要な設備等の要件も満たす必要があります。複雑な点や不明なことは、厚生労働省や各都道府県のホームページで確認かもしくは直接相談されることをお勧めします。

なお、障害者総合支援法などの法律に基づく記載、また市町村窓口等正式名称については「障害」としていますが、それ以外は「障がい」の記載となります。

【参考】
栃木県 障害福祉サービス
栃木県 障害福祉サービス事業 障害児通所支援事業 等 指定申請の手引き
厚生労働省 障害福祉サービスについて
厚生老労働省 障害者総合支援法について
宇都宮市障害者支援施設の設備及び運営に関する基準を定める条例

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