コラム
12.172025
建設業許可の欠格要件とは|当てはまると取得・維持できないケース一覧

建設業許可の欠格要件とは、該当すると許可を取得できない、あるいは維持できなくなる条件のことです。建設業法第8条に列挙されており、申請者本人だけでなく役員や支配人にも適用される点が特徴です。事前に確認しておかないと、申請後に発覚して手続きがやり直しになるケースもあるため、しっかり押さえておきましょう。
目次
欠格要件とは何か(建設業法第8条)
建設業法第8条は、一定の事情がある場合に許可申請を認めない「欠格事由」を定めています。要は「この条件に当てはまる人には許可を出しません」というルールです。
欠格要件に該当する場合は、申請しても受理されません。また、許可取得後に該当した場合は許可が取り消されます。取り消された場合、取り消しの日から5年間は新たに許可を取得できないため、事業継続に深刻な影響が出ます。
建設業許可の基本的な仕組みについては、建設業許可とは何かをわかりやすく解説した記事もあわせてご確認ください。
主な欠格要件の一覧
建設業法第8条が定める主な欠格要件を順番に説明します。
成年被後見人・被保佐人
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分とされた人(成年被後見人)と、その一歩手前の状態とされた人(被保佐人)は欠格要件に該当します。ただし、障害者差別解消の観点から法改正が重ねられており、一律排除から個別判断への移行が進んでいます。申請時点の法令と通達を確認することが重要です。
破産手続き中で復権していない
破産手続きが開始されても、免責許可決定などを受けて「復権」すれば欠格事由ではなくなります。問題は復権前の状態にある場合です。自己破産後、免責決定を受けていない状態で申請しても許可は下りません。
禁固以上の刑に処せられて5年未満
禁固以上(禁固・懲役)の刑を受け、刑の執行が終わった日(または執行を受けることがなくなった日)から5年が経過していない場合に該当します。執行猶予期間中も同様に該当し、猶予期間が満了すれば欠格ではなくなります。
建設業法・暴力団関係法違反による罰金から5年未満
罰金刑でも欠格要件になるケースがあります。具体的には以下の法令違反が対象です。
- 建設業法違反による罰金
- 建築士法・宅建業法など国土交通大臣が指定する法令違反による罰金
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)違反による罰金
これらの罰金刑を受けてから5年が経過していない場合、許可申請はできません。
暴力団員・暴力団関係者
暴力団員であること、または過去5年以内に暴力団員であった人は欠格要件に当たります。さらに、暴力団員等が事業活動を支配している法人も許可を受けられません。
不正手段で許可を取得した者から5年未満
偽りや不正の手段で許可を取得した場合、または不正を理由に許可取消を受けた場合、取消日から5年間は再申請できません。この5年カウントは、取消処分を受けた法人・個人だけでなく、当時の役員にも及びます。
役員・使用人にも適用される
ここで特に注意が必要なのが、欠格要件の適用範囲の広さです。申請者本人だけでなく、以下の者が一人でも該当すると許可は下りません。
- 法人の役員(取締役・監査役・執行役など)
- 相談役・顧問など実質的に経営に影響力を持つ者
- 支配人(法律上の支配人として登記された者)
- 令3条の使用人(支店長・営業所長など、契約締結権限を持つ者)
役員交代のタイミングで新任役員の欠格要件確認を怠るケースが実務でよく見られます。経歴要件の問題と同様、人的要件の確認は慎重に行う必要があります。経歴確認で失敗しやすいポイントは許可が下りない経歴要件に関する記事も参考になります。
欠格要件に該当したと気づいたときの対応
許可取得後に役員が欠格要件に該当した場合、法律上は2週間以内に廃業届(変更届)を提出する義務があります。放置すると、許可取消だけでなく行政上の不利益処分のリスクが高まります。
気づいたタイミングでの対応としては次の流れが基本です。
1. 該当役員の退任手続きを速やかに行う
2. 退任によって欠格要件に該当する者がいなくなった場合は変更届を提出
3. 許可要件(経営業務の管理責任者・営業所技術者等(専任技術者))を満たす状態を維持できているか確認
経営業務の管理責任者について詳しく知りたい方はこちらもあわせてご覧ください。
欠格要件の判断は「自分は大丈夫だろう」という思い込みが一番危険です。役員変更・組織再編のたびにプロの目で確認することをおすすめします。
欠格要件の確認や、要件を満たしているかどうかの判断は、個別事情によって結論が変わることも少なくありません。行政書士かなでオフィスでは、申請前の要件チェックから書類作成・申請代行まで一括してサポートしています。「自分のケースが当てはまるかどうかわからない」という段階からお気軽にご相談ください。













