コラム

CCUSと建設業許可の関係|許可申請・更新でCCUSが必要になるケースを解説

CCUSと建設業許可はそもそも別制度

まず前提として整理しておくと、CCUS(建設キャリアアップシステム)は国土交通省が整備した技能者の就業履歴・資格情報を管理する仕組みです。一方の建設業許可は、建設業法に基づいて一定規模以上の工事を請け負うために必要な行政上の許可です。

根拠となる法律が異なり、申請先も別で、担当窓口も違います。これは今も変わっていません。ただし「別制度であること」と「連動が進んでいること」は矛盾しません。制度の入口は別でも、実務の現場では両者が密接に絡み合うようになってきています。

CCUSの基本的な仕組みや登録の概要についてはCCUSとは何かでも詳しく解説していますので、あわせて確認してみてください。

公共工事でのCCUS義務化の動き

国土交通省は2023年度以降、公共工事におけるCCUSの活用を段階的に義務化する方針を打ち出しています。具体的には、現場登録(現場のCCUS登録)と技能者の就業履歴蓄積(カードリーダーによる入退場記録)を公共工事の条件とする流れが進んでいます。

この動きは国発注工事から始まり、地方公共団体発注工事へと広がりつつあります。栃木県や宇都宮市の発注工事においても、今後CCUS活用が入札参加の前提条件に加わる可能性は十分あります。

実際に「現場にCCUSを入れていない元請け業者は指名を外す」という運用が一部で始まっており、「義務化される前に対応しておけばよかった」という声が現場から聞こえるようになっています。公共工事への依存度が高い建設業者ほど、早期対応が経営上のリスク管理になります。

経営事項審査でのCCUS加点(W点)

建設業者が公共工事を受注するために必要な経営事項審査(経審)において、CCUSの活用状況が評価項目に組み込まれています。具体的には、審査項目「W点」(その他審査項目)の中に「建設機械の保有状況」「若年技術者・技能労働者の育成・確保の状況」などとともに、CCUSへの登録・活用状況が反映されます。

加点の対象になるのは主に次の2点です。

一つ目は、自社の技能者のCCUS登録率です。現場に入る技能者がCCUSに登録されていればいるほど、評価が上がります。未登録者が多いと加点を受けられません。

二つ目は、技術者・技能者のレベルアップ状況です。CCUSの能力評価制度(レベル1〜4)において上位レベルの技術者が在籍していると、経審での評価に寄与します。CCUSの能力評価制度についてはCCUS能力評価制度の解説で詳しく説明しています。

経審の点数は入札参加の優位性に直結します。競合他社がCCUSを積極活用して加点を積んでいく中で、自社だけ対応を後回しにすることは、じわじわと競争力の差につながります。

建設業許可申請でCCUSが事実上必要になるケース

現時点では、建設業許可の申請書類にCCUS登録証明書を添付する義務はありません。法律上、CCUSへの登録は許可要件にはなっていません。

ただし、実務の現場では「事実上必要になる」状況が生まれています。

たとえば、元請け業者から「うちの現場に入るにはCCUS登録が必要だ」という条件が課されているケースです。下請け会社が建設業許可を持っていても、CCUSに未登録であれば現場に入れない、つまり仕事が取れないという状況が現実に起きています。

また、許可の新規申請や更新において、申請書類を確認した担当者から「CCUSの登録はどうなっていますか?」と確認されることが増えています。これは法的な要件ではないとはいえ、行政との関係においても「対応済み」であることが望ましい状況になっています。

CCUSと建設業許可の関係をより詳しく知りたい方はCCUSと建設業許可の関係の解説もあわせてご覧ください。

許可業者が現場でCCUSを導入するメリット

CCUSを実際に現場運用することで得られるメリットは、入札加点だけではありません。

現場への入退場をカードリーダーで管理することで、誰がいつ現場にいたかが自動的に記録されます。帳票の手書き作業が減り、安全管理の記録が残ることで労災事故発生時の対応がスムーズになります。

また、技能者にとっては就業履歴が蓄積されることで、キャリアの「見える化」が進みます。レベルが上がれば処遇改善の根拠にもなり、人材の定着・採用にもプラスに働きます。職人さんの高齢化が進む栃木県内でも、若い世代が「キャリアが評価される環境」に魅力を感じるという声が出てきています。

元請け業者の立場からは、下請けの技能者情報を一元管理できるため、施工体制台帳の整備や社会保険加入状況の確認がしやすくなります。法令遵守の観点でも管理負荷が下がります。

宇都宮市・栃木県の建設会社が今すぐ始めるべき理由

「大手ゼネコンや都市部の話でしょう」という声も聞こえますが、それは少し前の話です。栃木県内の公共工事でも、CCUSを現場に導入している事業者は確実に増えています。宇都宮市内の工事でも、元請け側がCCUSの活用を入札条件に準じる形で求め始めているケースがあります。

対応を後回しにする間に競合他社が加点を積み、気づいたら経審の点数で差がついていたというのは十分ありうる話です。また、技能者登録は技能者本人のカード申請から始まるため、「明日から全員登録する」と決めても数週間から数か月かかります。義務化のタイミングを待ってから動いても間に合わないケースが出てきます。

CCUSの登録方法や手順についてはCCUS登録方法の解説で確認できます。まずは事業者登録・現場登録・技能者登録の流れを把握することが最初のステップです。

CCUSの登録手続きや経審への反映に関してお困りの場合は、行政書士かなでオフィスにご相談ください。宇都宮市を中心に栃木県全域の建設業者をサポートしており、CCUS登録のサポートから建設業許可の申請・更新まで一括して対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。


Kanade行政書士事務所では、宇都宮市を中心に、栃木県全域に対応しています。

メールで相談する


関連記事

ページ上部へ戻る