コラム

再婚相続シリーズ 第4回|再婚家庭での親族間トラブルとその予防法|宇都宮の行政書士が解説

「再婚と相続」全5回シリーズ|第4回

栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所です。今回のテーマは「再婚家庭における親族間のトラブル」と、それを未然に防ぐための対策についてです。

再婚という家族のかたちは、以前よりもずっと身近なものになりました。一方で、相続の場面になると、前の配偶者との子どもや兄弟姉妹、被相続人の実家との間で“予期せぬ感情の対立”が生じることも少なくありません。

今回は、「再婚家庭ならではの相続トラブル」とそれを防ぐために今できる備えについて、宇都宮での事例を交えてご紹介いたします。

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 第3回|再婚相手の連れ子に相続させたい!

「うちの実家には何も残らないの?」という親族の声

再婚家庭でよくあるのが、次のような構図です。
・再婚相手との間には実子なし
・配偶者(妻や夫)とその親、または兄弟姉妹が健在
・被相続人(故人)の財産を、誰がどう受け継ぐのかが不透明
このような場合、親族側から「うちの実家の土地が、まったく縁のない再婚相手のものになるのは納得できない」という意見が出ることがあります。感情的なもつれが生まれやすい場面です。

宇都宮でのご相談事例|「義母との関係が少しずつ変わっていって…」

ご相談者:50代女性・宇都宮市在住
「夫の実家で一緒に暮らしてきました。義母とは普段から良好な関係を保っていたつもりです。ただ、夫が亡くなった後、“あなたがこの家を相続することになるの?”という言葉をきっかけに、なんとなく会話の雰囲気が変わってしまいました。

特に揉めているわけではないのですが、今後どう話を進めればいいか、不安になってしまって…。相続の手続き自体も何から始めればいいかわからず、専門家に相談してみようと思いました。」

このように、相続をきっかけに、これまでの関係性が少しずつ変わっていくケースは少なくありません。必ずしも大きな争いがあるわけではなくても、今後の話し合いを円滑に進めるためには「法に基づいた整理と準備」がとても重要です。

行政書士は、こうした場面で、
・相続人調査
・関係説明図や遺産分割協議書の作成
・戸籍や必要書類の案内 など
手続きの面から冷静かつ中立的にサポートすることが可能です。
※注意:行政書士は、感情的な対立を調整する「代理交渉」や「法的な争い」には関与できません。その場合は、弁護士を紹介させていただきます。

なぜ再婚家庭ではトラブルが起きやすいのか?

理由は主に次の3つです。

① 相続人と非相続人の“温度差”

・配偶者にとっては「今の家族」でも、被相続人の親族にとっては「血縁のない相手」
→ 同じ相続でも、立場によって価値観が大きく異なります。

② 「感情の整理」ができないまま相続の話になる

・相続手続きに期限があるものや、金融機関の手続き等も含まれるため話を進めなければならない
誰かの“思い込み”がトラブルの火種になることもあります。

③ 事前に話し合われていない

・再婚時に「相続」の話までしていない
・被相続人の意向が書面で残されていない(遺言がない)など
→ こうしたケースでは「言った・言わない」の争いに発展しやすくなります。

トラブルを未然に防ぐためにできる3つの備え

方法①|公正証書遺言を残しておく

被相続人が「この財産は誰に遺すか」を明確にしておけば、親族間の争いは格段に減らせます。

・家や預金を配偶者に残す
・特定の兄弟姉妹に一定の財産を残す
・必要に応じて遺言執行者を指定する

 公正証書遺言についてはこちら

方法②|生前に“想い”を共有する機会をつくる

「生きているうちに話す」ことで、相続のトラブルを防ぐ最大の鍵になることがあります。

・「自分がどう財産を分けたいのか」
・「誰にどんな感謝の気持ちを持っているか」
・「この家をどう残していきたいか」

こうした気持ちや希望を生前に家族や親族に話し、親族間で共有しておくことで、“そんなつもりじゃなかった”という誤解を防ぐことができます。

形式にとらわれず、雑談の中で思いを共有するだけでも大きな効果があります。

方法③|第三者(専門家)を間に入れる

親族だけで話し合うと、どうしても感情的になりやすいもの。

中立的な専門家が入ることで、法律に基づいた事実ベースの対応が可能になり、関係を壊さずに済むケースが多いです。

Kanade行政書士事務所ができるサポート内容

当事務所では、再婚家庭での相続トラブルを防ぐため、以下のようなサポートを行っています:

・戸籍の収集と相続人調査
・相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成
・公正証書遺言の文案作成と公証役場手配
・遺産分割協議書の作成支援
・他士業(司法書士・税理士)との連携で包括サポート


最後に|“今ある関係”を壊さないための相続準備を

相続は、「お金の問題」だけでなく、「これまで築いてきた人間関係をどう守るか」という問題でもあります。とくに再婚家庭では、ちょっとした誤解やすれ違いが“相続トラブル”に発展しやすいのが現実です。Kanade(かなで)行政書士事務所では、「今ある家族」「これまでの関係性」に配慮しながら、安心して進められる相続のあり方をご提案しています。

まずはお気軽にご相談ください。

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