コラム

退職金共済制度の上手な活用方法|宇都宮の建設会社が実務で押さえるポイント

建設業では、従業員が現場を渡り歩くことが多く、一般的な退職金制度が馴染みにくい側面があります。そこで活用されているのが「建設業退職金共済制度(建退共)」です。国が後援する退職金制度として多くの建設会社が利用しており、建設業許可との関係でも知っておくべき制度のひとつです。宇都宮市・栃木県の建設業者が知っておくべき実務ポイントを整理します。

建設業退職金共済(建退共)とは

建設業退職金共済制度(建退共)は、建設業で働く人が会社を辞めたときに退職金を受け取れるようにするための国の共済制度です。運営は「独立行政法人勤労者退職金共済機構」が行っています。

仕組みは、雇用主(建設会社)が従業員の就労日数に応じて「共済証紙」を購入し、従業員の共済手帳に貼ることで掛け金を積み立てます。従業員が退職した際に、積み立てられた金額が退職金として支払われます。現場を転々とする建設労働者でも、複数の会社での掛け金が通算されるため、退職金を受け取りやすい仕組みになっています。

建退共に加入するメリット

①採用力の強化

建退共への加入は求人時のアピールポイントになります。「退職金制度あり」と記載できることで、若い求職者に安心感を与えられます。建設業界の人材不足が深刻なか、退職金制度の整備は採用競争力の向上につながります。

②公共工事での有利な扱い

公共工事の入札に参加する際、建退共への加入が要件とされているケースがあります。また、元請けが建退共への加入を下請けの条件とするケースも増えています。許可業者として公共工事を目指すなら、建退共への加入は実質的に必須です。

建退共への加入手続き

建退共への加入は、地域の建退共事務所(または中小企業退職金共済事業本部)に申し込みます。加入の申し込みには、①事業主の氏名・住所、②建設業許可番号(許可業者の場合)、③雇用する労働者の情報などが必要です。

加入後は「共済契約者証」が発行されます。共済証紙は建退共事務所や一部の金融機関で購入できます。従業員が建設現場で就労した日数分の証紙を共済手帳に貼ることで掛け金が積み立てられます。

証紙の購入・管理実務

証紙の購入頻度と枚数

証紙は1枚320円(2025年度時点)で、従業員の1日の就労につき1枚が基本です。月次でまとめて購入し、手帳に貼るのが一般的な管理方法です。証紙の購入枚数が多い場合は、大口購入の割引制度もあります。

共済手帳の管理

従業員の共済手帳は大切に管理し、退職時に本人に渡します。手帳に貼られた証紙枚数(就労日数)の合計が退職金の基礎になります。手帳を紛失した場合でも、就労実績の照会で復元できることがありますが、手帳は丁寧に保管しましょう。

建退共と建設業許可の関係

建退共の加入自体は建設業許可の要件ではありませんが、許可業者として公共工事に参加するうえで実質的に必要な取り組みです。また、経営事項審査(経審)の審査項目のひとつである「その他の審査項目(W点)」には、建退共への加入実績が評価に含まれる部分があります。

建設業許可の取得・更新と合わせて、建退共への加入状況を整備することが、公共工事参入に向けた総合的な準備につながります。

Kanade行政書士事務所からのサポート

Kanade行政書士事務所では、建設業許可の申請・更新サポートに加え、公共工事参入に向けた手続きのご案内を行っています。宇都宮市・栃木県内の建設業者様から、経営の安定に向けたご相談を幅広くお受けしています。まずはお気軽にご連絡ください。


Kanade行政書士事務所では、宇都宮市を中心に、栃木県全域に対応しています。

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