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宇都宮の相続手続き解説シリーズ 第8回 |遺言執行とは?相続手続きで重要な役割をわかりやすく解説

宇都宮の相続手続き解説シリーズ 第8回

遺言執行とは?相続手続きで重要な役割をわかりやすく解説

栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所です。
このシリーズでは、相続に関する基本的な手続きを、一つずつ丁寧に解説しています。

第8回は、「遺言執行」について。「遺言執行者って必要?」「具体的に何をするの?」そんな疑問に、実務の流れに沿って解説します。

遺言執行とは?

遺言執行とは、被相続人(亡くなった方)の遺言内容を、実際に実現するための手続きのことを指します。

たとえば、
・不動産の名義変更
・預貯金の解約・払い戻し
・株式の名義変更
・相続人以外への遺贈手続き
など、遺言書に書かれた内容を、きちんと実行に移す役割を担うのが「遺言執行者」です。


遺言執行者とは?

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために選ばれた「手続きの代理人」のような存在です。

遺言執行者の主な役割

役割 内容
財産管理 遺産を適切に保全・管理する
名義変更手続き 不動産登記、預金の払戻、株式移管など
遺言内容の実現 財産分与、特定贈与、認知の届け出など

✅ 遺言書に遺言執行者が指定されている場合、その人が優先して執行を担当します。
✅ 指定がない場合でも、必要に応じて家庭裁判所に選任申立てを行うことができます。
✅ 簡単にいうと、「遺言書の内容をにきちんと実現してくれる人」が遺言執行者です。


遺言執行者が必要となるケース

特に次のような場合は、遺言執行者がいた方がスムーズです。
・遺言書で認知(子の認知)が行われている
・相続人以外の人に財産を贈与する内容がある
・相続人同士の関係が複雑、または対立している
・預貯金・不動産・株式など、財産が多岐にわたる
遺言執行者がいることで、相続人同士の直接交渉を減らし、手続きを中立・公正に進めることができます。


実際の遺言執行の流れ

ステップ1|遺言書の確認・検認(必要な場合)

自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認手続きが必要です。 

🔗 遺言書確認についてはこちら
👉 第7回|遺言書があるか確認!相続手続きをスムーズにするために


ステップ2|遺言執行者の就任

・遺言書に記載されている場合:その人物が正式に就任
・記載がない場合:家庭裁判所に申し立てて選任


ステップ3|財産目録の作成と通知

・相続財産をリスト化し、相続人に通知します。
・これにより、相続人が内容を確認できます。

🔗 財産目録の作り方はこちら
👉 第6回|財産目録の作り方と名義変更ポイント


ステップ4|名義変更・解約などの手続き実施

  • 銀行口座の解約・証券口座の名義変更・不動産の移転登記などを遺言に従って進めます。


ステップ5|財産の分配・遺贈

  • 相続人や受遺者へ財産を引き渡して完了します。


遺言執行でよくあるトラブルと注意点

遺言書に基づいて手続きを進める「遺言執行」。とても重要な役割ですが、対応を誤ると相続人との間で深刻なトラブルに発展することもあります。ここでは、遺言執行において実際によくあるトラブル事例と、その注意点をまとめました。

ケース1|遺言執行者が手続きを放置してしまった

事例
遺言執行者に選ばれた相続人や第三者が、「忙しい」「何から手をつけたらいいか分からない」といった理由で、遺言の執行を長期間放置してしまった。その結果、他の相続人から責任追及される事態に。

背景
・遺言執行者は、速やかに適切な管理と執行義務を負っている(民法1012条)。
・放置によって遺産の価値が下がった場合や、他の相続人に不利益が出た場合、損害賠償責任を問われる可能性がある。

遺言執行者には、「遺言内容を忠実かつ迅速に実行する義務」があることを理解して任にあたる必要があります。
遺言執行者を指定する際は、信頼でき、手続きを確実に進められる人または専門家を選びましょう。


ケース2|遺言執行者が勝手に遺言内容と異なる行動をした

事例
遺言では「長男に不動産を相続させる」と明記されていたにもかかわらず、遺言執行者が「皆で平等に分けた方がよい」と判断して、不動産を売却し、現金で分配してしまった。その結果、相続人から損害賠償請求を受けた。

背景
・遺言執行者は、あくまでも遺言書に書かれた内容を忠実に実行する義務があります(民法1012条・1015条)。
・勝手な判断で遺言と異なる行動をすると、違法行為とみなされ、相続人から損害賠償請求を受けるリスクが生じます。

遺言執行者は、遺言書の文言を尊重し、個人的な判断を持ち込まないことが重要です。
解釈に迷う場合や、遺言内容が不明確な場合は、家庭裁判所への相談や専門家の助言を求めるべきです。


遺言執行は誠実かつ慎重な対応が求められます

遺言執行は、単なる「手続き代行」ではありません。
・遺言の内容に忠実に
・速やかに手続きを進め
・相続人に対して透明性を持って対応する

頼できる遺言執行者の指定、そこれらを確実に守ることが、遺言執行者には求められます。信して不安な場合には専門家のサポートを受けることが、後々のトラブル防止につながります。


Kanade行政書士事務所のサポート内容

相続手続きの基本サポート

・相続人調査(戸籍収集・特定)
・財産目録(遺産目録)の作成
・相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成
・遺産分割協議書の内容・案分作成

遺言執行者支援・代行

・遺言執行者のサポート、遺言執行者業務
・銀行・証券会社・法務局への相続手続き代行
・必要に応じた司法書士・税理士との連携

安心できるサポート体制

・初回相談無料
・宇都宮市を中心に柔軟かつスピーディー対応
・地元密着型の専門サポート

📩 お問い合わせフォームはこちら


まとめ|遺言執行をスムーズに行うために

遺言書は、「想い」を伝えるだけでなく、その実現まで責任を持って進めるために、遺言執行者の役割が重要です。

Kanade(かなで)行政書士事務所では、遺言執行者のサポートから実務代行まで、相続手続きをトータルでサポートしています。

どうぞお気軽にご相談ください。


次回|第9回はこちら!

第9回|相続手続きはいつ、何をする?流れとタイミングを徹底解説

👉 相続手続きが初めての方は、10回シリーズでわかりやすく解説した
[相続手続き解説シリーズまとめページ]をご覧ください。

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