コラム

宇都宮の相続手続き解説シリーズ 第9回 |相続手続きはいつ何をする?流れとタイミングを徹底解説

宇都宮の相続手続き解説シリーズ 第9回

相続手続きはいつ何をする?流れとタイミングを徹底解説

栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所です。このシリーズでは、相続に関する基本的な手続きを、一つずつ丁寧に解説しています。

第9回は、「相続手続きの流れとタイミング」について。「いつ何をすればいいの?」「どこから始めたらいいの?」そんな疑問に、丁寧に実務に即してご案内します。


相続手続きの流れ|全体像をつかもう

相続手続きには、大きな流れがあります。まず全体像をつかんでから、各ステップを一つずつ進めるのがポイントです。


【相続手続きの基本的な流れ】

時期 手続き内容
相続発生(死亡) 死亡届提出、葬儀・納骨
7日以内 死亡届、火葬許可申請
3ヶ月以内 相続人調査、財産調査、相続放棄・限定承認の検討
4ヶ月以内 被相続人の準確定申告(必要な場合)
10ヶ月以内 相続税の申告・納付(課税対象の場合)
期限なし(できるだけ早く) 遺産分割協議、相続登記、名義変更(預貯金・不動産・自動車・株式など)

✅ それぞれのタイミングで「やるべきこと」を正しく理解しておくと、スムーズな手続きが可能です。


相続発生後すぐにやること(7日以内)

死亡届の提出

  • 市区町村役場へ死亡届を提出します。(通常は葬儀社がサポート)


火葬許可申請・葬儀・納骨

・葬儀や火葬、納骨の手配を行います。
・これらは相続手続きではありませんが、亡くなった後すぐに行うべき重要な手続きです。


相続発生後3ヶ月以内にやること

 相続人調査

  • 戸籍を収集し、法定相続人を確定します。

🔗 詳しくはこちら
👉 第1回|相続人の調べ方|戸籍収集の基本と注意点


 財産調査

  • 預貯金、不動産、株式、自動車、負債など、被相続人の財産状況を調査します。

🔗 財産目録の作り方はこちら
👉 第6回|財産目録の作り方と名義変更ポイント


 相続放棄・限定承認の検討

  • 相続放棄や限定承認を希望する場合は、3ヶ月以内に家庭裁判所へ申立てが必要です。

✅ 「借金が多そう」「負債額がわからない」という場合は、早めに検討しましょう。


相続発生後4ヶ月以内にやること

 被相続人の準確定申告(所得税)

  • 被相続人に所得(給与、年金収入、不動産収入など)があった場合、死亡から4ヶ月以内に「準確定申告」を行う必要があります。

✅ 相続税の申告、納税とは別ですので、忘れずに対応しましょう!


相続発生後10ヶ月以内にやること

 相続税の申告・納付

  • 相続税の課税対象となる場合、死亡後10ヶ月以内に申告・納付しなければなりません。

✅ 相続税が発生するかどうかは、財産評価額によって決まります。
(基礎控除額:3,000万円+600万円×法定相続人の数)

🔗 相続税に関しては、税理士連携によるサポートも可能です。


できるだけ早く進めたい名義変更手続き

名義変更に期限はありませんが、できるだけ早めに手続きを進めたほうがスムーズです。


名義変更が必要な財産

  • 預貯金(銀行口座の解約・名義変更)
    株式・投資信託(証券会社手続き)
    自動車(陸運局手続き)
    不動産(法務局での相続登記)

🔗 預貯金・株式・自動車の名義変更について詳しくはこちら
👉 第6回|財産目録の作り方と名義変更ポイント


注意点

・名義変更に必要な書類(戸籍謄本、相続関係説明図、遺産分割協議書など)をきちんと整える必要があります。
・相続人全員の合意が取れているか確認が必要です。

✅ 事前準備をしっかりすることで、二度手間やトラブルを防げます。


相続手続きでよくあるトラブルと注意点

ケース1|相続放棄の期限を過ぎてしまった

事例
被相続人に多額の借金があることを知らず、何も手続きをしないまま3か月以上経過。結果、借金も含めて相続することになってしまった。

背景
・相続放棄は、相続開始(通常は死亡日)から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります(民法915条)。
・期限を過ぎると、「単純承認」とみなされ、すべての財産・債務を相続したものと扱われます。

相続が発生したら、できるだけ早く財産調査を行い、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金)も確認することが重要です。
相続放棄の手続きは、本人や法定代理人が裁判所へ提出しますが、弁護士などの専門家に代理を依頼することもできます。


ケース2|名義変更を先延ばしにしてしまった

事例
相続が発生したが、長い間、預貯金や不動産の名義変更を後回しにしている間に、相続人の一人が亡くなり、さらにその相続人の相続が発生(数次相続)。手続き対象となる人が増え、協議も複雑化してしまった。

背景
・相続人が亡くなると、その相続人の相続人(配偶者や子どもなど)が新たに加わり、手続きに関わる人数が増えます。
・書類の準備や同意を取り付ける手間が大幅に増加し、場合によっては手続きが非常に複雑になることも。

「落ち着いてから」と思わず、できるだけ早めに名義変更や解約手続きを進めましょう。

補足】不動産の相続登記は義務化されています

2024年4月から、不動産の相続登記は義務化され、相続を知った日から3年以内に登記申請を行う必要があります。
(※正当な理由がない遅延には、過料(最大10万円)が科される可能性も。)

これにより、「名義変更を後回しにしていたらペナルティが発生する」というリスクが現実のものとなりました。

不動産に限らず、預貯金やその他財産についても、相続が発生したらできるだけ早めに全体像を整理し、必要な手続きを順次進めることが重要です。


ケース3|遺産分割協議をせずに一部財産だけ動かしてしまった

事例
とりあえず急ぎで使いたかったため、相続人の一部が被相続人名義の預貯金を単独で引き出してしまった。その後、遺産分割協議の場で問題となり、相続人間で大きな対立が発生。

背景
・相続財産は、原則としてすべての相続人の共有財産となります(民法898条)。
・遺産分割協議を経ずに一部財産を動かすと、相続人間でのトラブルの要因になる場合も。

相続財産を動かすのは、原則、遺産分割協議書を作成してから


相続手続きは「早め・正確・公正に」が鉄則

相続手続きでは、
・放置しない(期限に注意)
・勝手に動かさない(共有財産の意識)
・手続きを正確に進める(名義変更などを後回しにしない)
これがとても大切です。

万一トラブルが起きると、相続人間の関係に深い亀裂が入り、解決までに多大な労力と時間を要することも。

そうならないためにも、早めに全体像を把握し、必要に応じて専門家に相談しながら手続きを進めましょう。


Kanade行政書士事務所のサポート内容

相続手続きの基本サポート

・相続人調査(戸籍収集・特定)
・財産目録(遺産目録)の作成
・相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成
・遺産分割協議書の内容・案分作成

遺言執行者支援・代行

・遺言執行者のサポート、遺言執行者業務
・銀行・証券会社・法務局への相続手続き代行
・必要に応じた司法書士・税理士との連携

安心できるサポート体制

・初回相談無料
・宇都宮市を中心に柔軟かつスピーディー対応
・地元密着型の専門サポート

📩 お問い合わせフォームはこちら


まとめ|「何をいつやるか」を押さえてスムーズな相続を

相続手続きは、やるべきことが多く、タイミングを逃すとトラブルのもとになります。

Kanade(かなで)行政書士事務所では、「今、何をすればいいか」から一緒に整理し、最後までしっかりサポートしています。

どうぞお気軽にご相談ください。


次回|第10回はこちら!

第10回|相続後の届出とデジタル遺産整理について

👉 相続手続きが初めての方は、10回シリーズでわかりやすく解説した
[相続手続き解説シリーズまとめページ]をご覧ください。


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