コラム

第8回|認知症になる前にできること。公正証書遺言のすすめ。【宇都宮の行政書士が解説】

栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所です。今回は、「認知症になる前に遺言書を作っておくべき理由」と「公正証書遺言のすすめ」について、宇都宮での実際のご相談を交えながらお伝えします。

最近では、「まだ元気だけれど、そろそろ将来のことを考えたい。」とご相談に来られる方が増えています。特にご高齢の方やご病気がある方などは認知症が進む前にご自身の意思で手続きを進められる“今”が、遺言書を準備するちょうどよいタイミングともいえます。

遺言書は「元気なうちに」作らなければならない書類です

遺言書は、「亡くなる直前でも書ける。」と思われがちですが、意思能力(判断能力)がしっかりしていることが大前提になります。

つまり、次のような状態では、遺言が無効になってしまうおそれがあります。
・認知症が進んでいて、財産の内容や家族関係の理解が難しい。
・医師の診断書で「判断能力がない」とされた。
・ご本人の言葉があいまいで、意思が確認できない。
法律的には、遺言を作る時点で“遺言能力”があることが求められます。そのため、「大丈夫かな?」と思い始めたタイミングこそ、実は最も大切な“はじめどき”なのです。

【宇都宮市の実例】元気なうちに公正証書遺言を作成した80代女性

宇都宮市内にお住まいの80代の女性から、ある日お電話をいただきました。
「最近、ちょっと物忘れが気になるようになってきて…でも、まだ頭はしっかりしているうちに、ちゃんと決めておきたくて。」とのご相談でした。

お話を伺うと、ご自身で預貯金や不動産の状況をしっかり把握されており、「この財産は娘に、この不動産は息子に…」といった具体的なご希望もはっきりされていました。そこで、公証人との日程調整や必要書類の準備も含めて、当事務所で一括してサポートし、公正証書遺言として作成のお手伝いをさせていただき、万が一のときにも確実に意思が伝わる形となりました。

後日、ご長女の方からこんな言葉をいただきました。「母が元気なうちに動いてくれて本当に助かりました。実は私も少し不安だったのですが、書類を整えてもらってから母がすごく落ち着いていて…「これで安心ね」って笑ってくれたのが嬉しかったです。」

ご本人もご家族も、将来への漠然とした不安が小さくなり、気持ちに余裕が生まれようにみえました。そんなご様子がとても印象的なご相談でした。

なぜ公正証書遺言がおすすめなのか?

遺言には大きく分けて「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」がありますが、認知症などが心配される場合には、特に公正証書遺言をおすすめしています。

その理由は次のとおりです。
● 専門家(公証人)が内容と意思を確認
本人の判断能力があるかどうかを、法律のプロである公証人が確認したうえで作成されるため、後で無効とされるリスクが極めて低くなります。
● 原本が公証役場に保管される
紛失や改ざんの心配がなく、相続開始後もすぐに手続きを始められます。
● 検認不要でスムーズな相続手続き
自筆証書遺言の場合に必要な家庭裁判所での「検認」手続きが不要になり、ご家族の負担も軽減されます。

公正証書遺言の作成は、こんな方におすすめです

・年齢を重ね、「そろそろ準備しておきたい」と思われている方
・認知症の心配があるご家族を支えている方
・相続人が複数いて、後のトラブルを避けたいと考えている方
・自宅や預金の分け方を自分の意思ではっきり決めておきたい

Kanade行政書士事務所のサポート内容

当事務所では、ご本人のお話を丁寧に伺いながら、無理のないペースで手続きのお手伝いをしています。
・公証役場とのやり取りや日程調整も一括で対応。
・相続人の調査や財産の整理までサポート。
遺言書の内容についても、ご家族との橋渡し役として丁寧にご説明します。「何を話していいかわからない。」「誰にも相談できずに不安を抱えている。」そんな方にも安心してご相談いただけるよう、やさしく・わかりやすくを大切にしています。

まとめ|「まだ早いかな?」と思ったその時が、はじめどき

遺言書は、「思い立ったとき」が最も良いタイミングです。もし判断力が低下してしまってからでは、せっかく準備しようとしても、できないことがあるのです。ご本人にとっても、ご家族にとっても、「元気な今だからこそ」できる備えが、遺言書です。


ご相談はお気軽にどうぞ(初回無料)

栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所では、初回のご相談を無料で承っております。「遺言なんてまだ先」と思っていた方も、ご相談だけでも大丈夫です。
安心の準備は、心の余裕にもつながります。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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