コラム

遺言書にはどんな種類があるの?自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについて解説!

遺言書とは、自分が亡くなった後に自分の財産を、誰にどのように相続させたいのかを伝えることができる書面です。

遺言書を残すことは、不要な相続争いを防ぐためにも効果的です。

ただし、自由に記した書面が全て遺言として有効な訳ではありません。

ここでは、せっかく作成した遺言書が無効にならないためのそれぞれの遺言書の特徴をお伝えします。

遺言書の種類

遺言書は、普通方式の遺言として大きく分けて3つの形式が認められています。

・自筆証書遺言

遺言者が全文を自筆で書いて、印鑑を自分で押す遺言書

・公正証書遺言

公証役場で、公証人に口述して作成される遺言書

・秘密証書遺言

公証役場で、公証人と証人2名に、提出。「遺言書の存在」のみが記録される遺言書

*秘密証書遺言は、利用件数も少なく、一般的ではないためあまりおすすめできません。

なお、こちらでは一般的な

・自筆証書遺言

・公正証書遺言

について触れています。

公正証書遺言の作成件数と自筆証書遺言の検認数

まず、近年の公正証書遺言の作成件数と自筆証書遺言の家庭裁判所においての検認数を見てみましょう。

自筆証書遺言については、自由に作成できる遺言書であるため作成数の把握はできません。そのため、検認数を記載しております。

公正証書遺言の作成数と自筆証書遺言の検認数においては、公正証書遺言の作成をされる方が上回ることが見て取れます。

参照:令和4年 司法統計年報(家事編)
日本公証人連合会(遺言公正証書の作成件数について)

自筆証書遺言とは

遺言者が、全文を自筆で作成する遺言書です。作成に費用がかからず、好きな時に好きな場所で作成できるというメリットがあります。ただし、法的に有効となるために注意する点もあります。

また、自宅などで遺言書を保管していた場合は、遺族に遺言書を発見してもらえない可能性や紛失のおそれがあります。

自宅などで、保管していた場合は、遺言者の死後、家庭裁判所の検認手続きが必要になります。法務局での自筆証書遺言書保管制度が利用した場合は、家庭裁判所での検認が不要となります。

公正証書遺言とは

公証役場で公証人によって作成される遺言書です。公証人が遺言書の内容をチェックし、作成するため安心です。また法的に有効となる確率が高いというメリットがあります。

遺言書の原本は、公証役場で保管されるため紛失や改ざんの心配はありません。ただし、自筆証書遺言の手軽さに比べると、手間や費用がかかります。

公正証書遺言書は、家庭裁判所での検認が不要となるため、相続手続きがスムーズに行われやすいことも特徴です。

表にまとめると次のようになります。

自筆証書遺言 公正証書遺言
作成方法 遺言者本人が全文・日付・氏名を自書および捺印 遺言者が公証人に遺言の内容を口述する 公証人が書面にする*
保管方法 自宅で保管 または法務局に預ける* 原本は公証役場で保管
家庭裁判所の検認 必要 (法務局に預けた場合は不要) 不要
メリット いつでもどこでも書ける 費用を抑えることができる
法務局の保管サービスを利用できる
専門家が作成するので安心 紛失・改ざんの心配がない
検認手続きが不要なため、相続手続きがスムーズ
デメリット 無効になる可能性がある 見つけられない場合がある
原則、検認手続きが必要
費用がかかる
証人2名が必要
手間がかかる
各手数料 *法務局の保管制度手数料
遺言書1通につき3,900円
*公証人手数料(資産額による)
例)1,000~3,000万円 約23,000円

家庭裁判所の検認とは?

「検認」とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除修正の状態、日付、署名など「検認」の日現在における、遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造/変造を防止するための手続きです。

そのため、遺言者の死後、遺言書の保管者またはこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遺言書を家庭裁判所に提出し、検認の手続きをしなければなりません。

なお、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等立ち会いのもと開封しなければなりません。また、検認手続には、約2~3ヶ月程度かかります。

遺言書の選び方

遺言書には一般的な種類としては、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があるというのがお分かりいただけたと思います。

では、実際に作る場合には自分はどちらがいいのだろう?と迷われることもあるかもしれません。

それぞれ、作成する方法やかかる費用、保管場所などに違いはありますが、自分の想いを遺すということには代わりはありません。

ただ、せっかく作成した遺言ならば、無効になる可能性や紛失、改ざんなどの心配は避けたいものです。

少しでも心配が生じる可能性がある場合は、「公正証書遺言」がおすすめです。

公正証書遺言は、公証人が作成するため誤りが生じにくく、原本は公証役場で保管されます。紛失や改ざんを心配する必要もなく、相続手続き開始後の検認も必要ありません。

作成するためには、多少の手間や費用はかかりますが、ご自身の意思が間違いなく相続人に伝えられる遺言書として、また相続人の相続手続きの負担を減らすためにも非常に有効な手段といえます。

まとめ

今回は遺言書の種類や自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについて触れてきました。

それぞれのメリット、デメリットを比較して、ご自身に合う遺言書を見付ける参考にしてください。

また、少しでも不安な場合や心配事がある場合には、専門家に相談されることもおすすめです。

【参考】

令和4年 司法統計年報(家事編)
https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/659/012659.pdf

日本公証人連合会(遺言公正証書の作成件数について)
koshonin.gr.jp/news/nikkoren/yuigon2022.html

法務省自筆証書保管制度
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

日本公証人連合会
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12

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