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コラム
12.82025
相続トラブルを防ぐ「家族会議」の進め方 ― 事前に話し合うべきポイントとは ―

目次
相続トラブルを防ぐ「家族会議」の進め方― 事前に話し合うべきポイントとは ―
相続の相談を受けていると、よく聞く言葉があります。
「そんな話をすると縁起が悪いと思って…」
「元気なうちは、あえて話題にしませんでした」
しかし実務の現場では、話し合わなかったこと自体が、トラブルの原因になるケースが少なくありません。この記事では、相続トラブルを防ぐための現実的な方法として、「家族会議」をどう進めればよいかを整理します。
なぜ「家族会議」が相続トラブルを防ぐのか
相続で揉める原因の多くは、
・財産の内容を知らなかった
・親の考えを聞いていなかった
・兄弟姉妹で認識が違っていた
といった、情報と認識のズレです。
法律の問題というよりも、
「聞いていない」「そんなつもりじゃなかった」
という感情の行き違いが、争いを生むことが少なくありません。家族会議は、このズレを事前に小さくするための場です。
家族会議=正式な会議でなくてよい
「会議」と聞くと、堅苦しく感じるかもしれません。しかし実際は、食事のあとや休日の集まり、落ち着いて話せる時間など、形式にこだわる必要はありません。
大切なのは、話題を避けないこと、感情的にならない環境を選ぶことです。
事前に話し合っておきたい3つのポイント
① 財産の大まかな内容
細かい金額まで話す必要はありませんが、
・不動産があるか
・預貯金はどの程度か
・借入金はあるか
といった全体像を共有しておくことで、「そんな財産があったとは知らなかった」という不信感を防げます。
② 親の考え・価値観
もっとも重要なのが、
・どんな分け方を望んでいるのか
・誰に何を残したいのか
・なぜそう考えているのか
という気持ちの部分です。これを知らないまま相続が始まると、「自分は大切にされていなかったのでは」という感情が生まれやすくなります。理由を含めて伝えてもらうことが、後の納得感につながります。
③ 遺言書や準備状況
すでに遺言書を作成している場合や、これから作成を考えている場合は、その存在だけでも共有しておくと安心です。内容をすべて伝える必要はありません。「考えている」「準備している」という事実だけでも、家族の受け止め方は大きく変わります。
家族会議を進める際の注意点
無理に結論を出さない
1回の話し合いですべて決める必要はありません。むしろ、意見を聞く、考えを共有することが目的です。
子ども世代が主導しすぎない
相続は「親の財産」です。子ども世代が結論を誘導すると、不公平感や押しつけられた印象を与えてしまうことがあります。
第三者を入れる選択肢もある
話し合いが難しい場合や、感情的になりやすい場合は、
・専門家に同席してもらう
・事前に整理だけ依頼する
といった方法もあります。士業などの専門家は、法的な整理だけでなく、話し合いの土台づくりを支援する役割も担う場合もあります。
家族会議がもたらす現実的な効果
家族会議を行っておくことで、
相続手続きがスムーズになる
余計な疑念が生まれにくい
家族関係を壊さずに済むといった効果が期待できます。何より、
「話し合っていた」
という事実そのものが、相続人の心の支えになることも少なくありません。
まとめ
相続トラブルの多くは、法律の問題よりも「話していなかったこと」から生まれます。
・財産の全体像
・親の考え
・準備の有無
これらを事前に共有するだけでも、相続の景色は大きく変わります。家族会議は、特別な準備が必要なものではありません。少し勇気を出して話題にすることが、家族を守る第一歩になります。














