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軽微工事から始める建設業の始め方|新設法人が将来の許可取得を見据えて行うステップとは

軽微工事から始める建設業の始め方|新設法人が将来の許可取得を見据えて行うステップとは

新設法人で建設業を始めたいものの、「経営業務の管理責任者の要件を満たす人がいない」「すぐに建設業許可を取得できない」という理由で、事業開始を迷われるケースは少なくありません。

このような場合、まずは軽微工事(500万円未満の工事)からスタートし、将来的に建設業許可の取得を目指すという方法は、現実的で安全な選択肢のひとつです。この記事では、新設法人が許可取得を見据えながら建設業を始める際の考え方と、実務上のポイントを整理します。


軽微工事(許可不要工事)とは

建設業許可が不要となるのは、次の範囲の工事です。
・工事金額が500万円未満(税込・材料費含む)
※建築一式工事は1,500万円未満
・一部の専門工事で軽微と扱われるもの
この範囲内であれば、許可がなくても合法的に施工できます。


軽微工事から始めるメリット

新設法人にとって、軽微工事スタートには大きく3つの利点があります。まず、許可要件が揃っていなくても事業を開始できる点です。
経営業務の管理責任者(経管)や営業所技術者等(専任技術者)、財務基準などが未達でも、事業そのものは進められます。

次に、実績を積みながら会社の体制を整えられることです。現場経験を積み、取引先を増やし、社内の施工体制を作ることで、許可申請時に必要な「事業の実態」を自然に構築できます。

そして、経管候補者の育成がしやすい点も重要です。役員として建設業の経営に関与し続けることで、将来の経管要件を満たすための経験を計画的に積み上げることができます。


将来の許可取得に向けて押さえる3つの実務ポイント

① 経管候補者は早めに役員へ

経管は原則として「役員としての経営経験」が必要です。事業開始時から役員に就任させ、継続して経営に関与させることで、
・役員在籍期間
・社会保険加入
・職務内容の証明
などの書類も自然に整っていきます。

② 社内の役割分担を明確にしておく

許可申請では主に次の要件が問われます。
・経営業務の管理責任者(経営経験)
・営業所技術者等(技術経験)
・財務基準(自己資本500万円等)
軽微工事の段階から「誰がどの役割を担うのか」を整理しておくことで、後の申請がスムーズになります。

③ 実績資料は必ず残す

軽微工事であっても、許可申請時には実績の裏付け資料が重要になります。最低限、以下は保管しておきましょう。
・契約書・注文書
・見積書・請求書
・工事写真
・工事内容が分かる資料など


軽微工事スタートが向いている会社

次のようなケースでは、特に有効です。
・経管候補者を社内で育成したい
・組織体制がまだ固まっていない
・資金基盤を段階的に作りたい
・中長期計画で許可取得を考えている
軽微工事は、単なる「仮スタート」ではなく、許可取得のための準備期間として位置づけることが重要です。


まとめ

軽微工事から建設業を始める方法は、経管候補者の育成、会社の実績づくりや組織体制の整備を同時に進められる、非常に合理的な方法です。焦って無理に許可申請を行うよりも、段階的に体制を整えた方が、結果的にスムーズな許可取得につながります。

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