コラム

第2回|宇都宮の行政書士が解説|前婚の子どもがいる再婚夫婦に必要な“もめない遺言書”とは?

「再婚して今は幸せ。でも、前の結婚で子どもがいて…万が一のとき、その子と今の配偶者で揉めないか心配です。」

栃木県宇都宮市で行政書士として活動する中で、こうしたご相談を受けることが増えています。特に「前婚の子ども」と「現在の配偶者」の関係性に悩みを抱える再婚夫婦の方にとって、遺言書の作成は“未来の家族の平和”を守るための非常に重要な手段です。

この記事では、前婚の子がいる再婚夫婦が、争いやトラブルを避けて想いをきちんと形にする遺言書の作り方を、宇都宮の行政書士が分かりやすくご説明します。

【なぜ再婚夫婦に“もめない遺言書”が必要なのか】

法律上、再婚であっても、前婚で生まれた子との親子関係は続いています。

つまり、離婚して疎遠になっていたとしても、相続においては「法定相続人」として扱われ、権利があります。

たとえば…

「夫が前の結婚で子どもを1人もうけましたが、その後再婚し、前婚の子とは長年会っていない。そして、そのまま夫が遺言書を作らずに亡くなってしまった。」

この場合、法定相続分通りに相続した場合は、

 → 妻(再婚相手)に2分の1 

 → 前婚の子に2分の1

となり、配偶者にすべてを遺すことはできません。

しかも、前婚の子と現配偶者の間に交流がない場合、遺産分割協議がスムーズにいかず、感情的な対立が生じるケースも少なくありません。

【実際にあったご相談事例】

宇都宮市在住の60代男性、Dさん。
前の結婚で成人した息子が1人いますが、離婚後はほとんど連絡を取っておらず、長年会っていません。
現在は再婚した奥様と20年以上穏やかに暮らしています。

そんなDさんがご相談に来られたのは、「自分にもしものことがあったとき、財産がどうなるのか心配だ…」と感じたからでした。

「家も預金もすべて妻に遺したい。息子には正直、もう関わってほしくないんです。でも、今のままでは財産の半分は息子にいくと聞いたのですが…」

Dさんのように、前婚の子と再婚相手との間に交流がなく、かつ感情的な距離がある場合、実際の相続手続きの際には、争いごとの原因になりかねません。

たとえば、遺言書がなければ、
・家は名義が夫のままで、妻は住み続けるために息子の同意が必要
・預貯金の半分は息子に渡すことになり、妻の生活費が大きく減る
・息子が現在の妻に対して冷たい態度を取る

といったことも実際に起こりえます。

Dさんは、悩みながらも「やはり、元気なうちにちゃんと遺言を残しておこう」と思われました。
そして、公正証書遺言で「すべての財産を妻に遺す」という意思表示をしっかり形にしました。

併せて、付言事項で「長年連れ添ってきた妻に感謝していること」「前婚の子には学費などで十分な支援をしたこと」なども丁寧に記載し、感情的なトラブルを未然に防ぐ配慮もしました。

このように、相続は単なる“財産の分け方”ではなく、気持ちの整理と未来の人間関係の調整でもあります。

「家族だからこそ、揉めてほしくない」
そんな願いを叶える手段として、遺言書の作成は非常に効果的です。

【遺言書がなければ「相続争い」は避けられない?】

遺言書を残さずに亡くなると、残された財産について、前婚の子どもと再婚相手(配偶者)で遺産分割協議を行う必要があります。

このとき、両者の関係性が良好であれば問題ないかもしれませんが、疎遠だったり、感情的なわだかまりがある場合には、話し合いが難航し、相続争いに発展するリスクが高くなります。

たとえば、前婚の子が「法定相続分である2分の1を主張したい」と求めた場合、配偶者は原則としてそれに応じる必要があります。
その結果、現在暮らしている住まいや生活資金の一部を現金化して渡さなければならないというケースも現実に起きています。

また、中には「もう縁もない再婚相手とは関わりたくない」という思いから、意図的に協議に応じないケースもあります。そうなると手続きが進まず、調停や裁判に発展することもあります。

このように、遺言書がないことで、住み慣れた家を手放す、預貯金を取り崩すといった望まない事態に陥ってしまう可能性は十分にあるのです。

【もめない遺言書に必要な3つのポイント】

宇都宮市で行政書士として多くの遺言書をサポートしてきた経験から、特に再婚夫婦・前婚の子がいるケースでは、以下の3つをしっかり押さえることが重要です。

① 財産の配分を明確に記載する 

→「すべての財産を妻〇〇に相続させる」など、誤解のない表現で遺言書に残すことが大切です。

② 遺言執行者を指定する 

→ 自分の想いを実行してもらうため、信頼できる行政書士などを遺言執行者にしておくことで、相続人間の交渉を避けられます。

③ 付言事項で感情的な配慮を伝える 

→ 「再婚後も自分を支えてくれた妻に安心して暮らしてほしい」「前婚の子には学費を支援した」など、背景を説明することでトラブルを防ぎやすくなります。

【連れ子との関係にも注意】

再婚相手に連れ子がいる場合、その子は法的には相続人ではありません。

その子にも財産を遺したい場合は、

・養子縁組をして「法定相続人」とする 。

・遺言書で「遺贈」する(ただし相続税は2割加算)。

といった選択肢を検討する必要があります。

【公正証書遺言が安心な理由】

「せっかく遺言書を作っても、無効になることがあるって本当?」というご相談もあります。

確かに、自筆証書遺言では不備が原因で無効になる可能性があります。 

しかし、公正証書遺言なら、公証人が関与し、法的に有効性が保証されるため安心です。

・紛失や改ざんの心配がない 。

・検認の手続き不要で、すぐに執行可能。 

・相続人がトラブルを起こしづらい。

再婚・前婚の子が関わる複雑な相続では、公正証書遺言がベストな選択です。

【宇都宮市の行政書士によるもめない遺言書作成サポート】

当事務所では、宇都宮市エリアで数多くの再婚夫婦の相続対策・遺言書作成をお手伝いしています。

「何をどう書けばいいか分からない。」 

「前婚の子との関係性を考慮して遺言を作りたい。」 

「できれば感情的な対立を避けたい。」

そんな方に対して、丁寧にヒアリングしながら、お一人おひとりに合わせたでサポートを行っています。

法律だけでなく、家族の気持ち・事情を汲み取る姿勢を大切にしています。

【まとめ|再婚夫婦こそ想いが伝わる遺言書が必要です】

・前婚の子どもは親の財産を相続する権利を持っています 。

・配偶者にすべてを遺すには、遺言書の明記が必要です 。

・連れ子は遺言や養子縁組を通じて財産を遺せます 。

・感情的トラブルを避けるには、付言事項と遺言執行者の設定が効果的です 。

・宇都宮で遺言書作成を検討される際は、専門家によるサポートがおすすめです。

【まずは無料相談をご利用ください】

遺言書は「いつか」ではなく、「元気な今」だからこそ冷静に準備できます。 

宇都宮での遺言書作成を安心して進めたい方は、お気軽に当事務所へご相談ください。

遺言書の作成について、詳しいお話を聞きたい方やセミナーにご興味のある方は、ぜひ栃木県宇都宮市のKanade行政書士事務所までお問い合わせください。皆さまの不安や疑問に丁寧にお答えいたします。

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