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コラム
11.82025
人生会議とは|これからの生き方を話し合うための時間

「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」という言葉を聞いたことはありますか?
もしものときに備えて、自分が望む医療や介護について家族と話し合う。そう聞くと、少し重たい印象を受けるかもしれません。
でも実際は、「人生の最期をどうするか」だけではなく、これからをどう生きたいかを考えるための対話でもあります。誰にでも訪れる「もしも」のときに、慌てず、家族で納得して選択できるようにする準備のひとつです。
目次
人生会議が大切といわれる理由
医療の選択肢や介護の形が多様化した今、「本人の意思を尊重する」という考え方がより重視されるようになりました。
たとえば、
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延命治療を望むかどうか
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在宅で過ごしたいのか、施設で過ごしたいのか
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財産や大切なことをどう伝えておきたいか
こうしたことを、元気なうちに少しずつ話しておくことは、本人にとっても、家族にとっても大きな安心につながります。「まだ早い」ではなく、「今だからこそ話せる」 それが人生会議の本質です。
病気が見つかったとき、人生会議はできるのか
「人生会議」という言葉を聞いても、実際に目の前に病気や余命の話が出たとき、その話題をどう切り出せばよいのか、迷う方は多いと思います。
今その話をしてもいいのだろうか?
本人を傷つけてしまわないだろうか?
実際、病気を抱える方の前でこのテーマに触れることは、とても繊細で、勇気のいることです。けれども、人生会議は「終わり」を語る時間ではなく「どう生きたいか」を確かめ合う時間です。話すことそのものが、本人の尊厳を支える行為でもあります。
もちろん、タイミングや方法は人それぞれ。体調や気持ちが不安定なときは、無理に進める必要はありません。ほんの一言、「今後のことを一緒に考えてみようか」と声をかけるだけでも、それが大切な第一歩になります。
そして、もしできるなら、元気なうちに、穏やかな時間の中で話しておくことをおすすめします。落ち着いた環境の中で話すからこそ、医療や介護、財産のことを冷静に考え、家族と共有できるのです。
人生会議は「病気になってから始めるもの」ではなく、生きている今をどう過ごしたいかを確かめるための対話。話し合うこと自体が、これからの時間を豊かにするきっかけになります。
話し合うときの3つのポイント
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医療・介護の希望を具体的に共有する
「延命治療をどうするか」といった選択だけでなく、自分が安心して過ごせる環境やサポートについて、率直に話し合うことが大切です。 -
想いを整理して書き留めておく
エンディングノートやメモでも構いません。
家族や信頼できる人が、あとで迷わないように、考えを言葉として残しておくこと。
それが、法的な手続きを整える第一歩にもなります。 -
専門家と一緒に仕組みを整える
任意後見契約、遺言書の作成、財産の整理など、必要に応じて専門家と一緒に準備しておくことで、「話して終わり」にならない、安心できる形を残すことができます。
人生会議をきっかけに見えてくるもの
実際に話してみると、「自分がどうしたいか」だけでなく、「家族がどんな思いで支えてくれているか」に気づくこともあります。誰かと話すことで、自分の考えが整理される。そして、話しておくことで、後の“後悔”が少なくなる。人生会議は、そんな小さな安心を積み重ねるための時間です。
まとめ ― 話すことで、未来を整える
人生会議は、「終わりの準備」ではなく、「これからをよりよく生きるための準備」です。書類を整えることも、気持ちを整理することも、どちらも大切な人生の一部。家族と話す時間の中にこそ、自分らしく生きるヒントや、安心の形が見つかります。
参考サイト
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厚生労働省「ゼロからはじめる人生会議」
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栃木県公式サイト「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)














